その溺愛、危険度99%につき
『どうでもいいなんて言うなっ。』
『……は、』
『私は、どうでも良くなかったっ。名前も知らない初めて会った人だけど、あなたのこと、どうでもいいとは思わなかった!だからこの腕を引っ張ったの!』
俺に平手打ちをした女が、なぜか泣きそうな顔でそう言った。
『あのねっ、私だってもう他人に世話を焼くのはやめようって思ってたところだったんだから!!
でもっ、見ちゃったんだもん!気づいちゃったんだもんっ。寂しいって、虚しいって、誰かに縋りたいって思ってるような顔を!アンタがしてたの!
っそんな顔して、放っておけるわけないでしょっ!?』
『……』
『あんたの事情なんて私はこれっぽっちも知らないけどっ、でも、ちゃんといるから!ここにいるから!
あんたのことをどうでもいいって思わない人っ!私がそうだから!
だから、もっと自分を大切にしてよっ』
どうして初めて会った奴にこんなことを言われないといけないのかわからなかった。
どうしてそんなに必死になるのかもわからなかった。