その溺愛、危険度99%につき
2年に進級してもあの人には会えなくて。
違う高校に行ったかもしれないし、会えるわけないか。
なんて、諦めていた時だった。
『っわ、ごめんなさい……!』
『いや、俺のほうこそごめん、だいじょう──』
廊下でぶつかった相手に手を差し伸べた時、すぐに脚の傷跡に気がついた。
それから、目の前で尻もちをついていたその人に、俺は目を見開いたんだ。
名前を聞いたら、不思議そうな顔をしながら、澪は答えてくれた。
『澪ね……やっと名前聞けた』
俺のことは覚えていなさそうだったけど、別によかった。