その溺愛、危険度99%につき
名前を聞けて、ただそれだけでよかった。
隣のクラスから、見てるだけでよかった。
でも、
『榛名くん!』『大丈夫!?』
前と同じように俺のところへと走ってきてくれた澪をみたら、もう手放したくないって、そう思った。
救ってくれた澪に傷跡を残したくせに。
このことを澪が思い出したら嫌われるかもしれないのに。
それでも、これだけは譲れなかった。
誰にも渡さない。今度は俺が澪を守る。なにがあっても守るから。
だから、澪に言ったんだ。
『なら、澪が俺のこと見張っててよ』