その溺愛、危険度99%につき



「──ねぇ朔?聞いてる?」


澪の声にハッとする。
いつもの帰り道、澪が俺の隣を歩きながら首を傾げている。


「ごめん、なに?」
「だから、朔は犬派か猫派、どっちって話」

「あー……澪は?」
「私は猫かなぁ」

「じゃあ俺も猫」

「……」


ちゃんと答えたのに、なぜか澪は不機嫌そうに頬を膨らます。
どんな表情でも圧倒的に澪が一番可愛いけど。


「じゃあ、好きな色は?」

「澪は?」
「……パステルピンク」

「俺もその色好き」

「ねぇ嘘じゃん!さすがにそれは嘘じゃん!!?」

「いやいや、ほんとに」
「イメージにないもん!その色待ってるところ見たことないもん!」

「人の好きなものを否定するのはどうかと思うよ」
< 220 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop