その溺愛、危険度99%につき
*
「──ねぇ朔?聞いてる?」
澪の声にハッとする。
いつもの帰り道、澪が俺の隣を歩きながら首を傾げている。
「ごめん、なに?」
「だから、朔は犬派か猫派、どっちって話」
「あー……澪は?」
「私は猫かなぁ」
「じゃあ俺も猫」
「……」
ちゃんと答えたのに、なぜか澪は不機嫌そうに頬を膨らます。
どんな表情でも圧倒的に澪が一番可愛いけど。
「じゃあ、好きな色は?」
「澪は?」
「……パステルピンク」
「俺もその色好き」
「ねぇ嘘じゃん!さすがにそれは嘘じゃん!!?」
「いやいや、ほんとに」
「イメージにないもん!その色待ってるところ見たことないもん!」
「人の好きなものを否定するのはどうかと思うよ」