その溺愛、危険度99%につき

こういうの、都合が良すぎるって言うんだろうな。
澪に離れていってほしくないからって縛りつけるなんて、どうかしてるかも。

だけど、仕方ないだろ。俺は澪と違ってそこまで優しくない。



「ごめん……そんな顔するくらい、触れられたくないことなんだね」



自分がどんな表情をしているのかはわからなかった。

でも、なぜか澪が悲しそうな顔をするから。
そんな顔、してほしくないのに。


「送ってくれてありがとう。じゃあまた明日ね」


いつの間にか、澪の家の前に着いていた。
澪の姿が見えなくなったのを確認して、もと来た道を戻る。



『──朔が本当に好きなものを知りたいんだよ』




「……澪だよ。」



澪のことが何よりも一番大事で、誰よりも好きだ。

でも、澪がそう思う必要はない。
こんな俺を好いてもらえるとは思ってない。
< 223 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop