その溺愛、危険度99%につき
こういうの、都合が良すぎるって言うんだろうな。
澪に離れていってほしくないからって縛りつけるなんて、どうかしてるかも。
だけど、仕方ないだろ。俺は澪と違ってそこまで優しくない。
「ごめん……そんな顔するくらい、触れられたくないことなんだね」
自分がどんな表情をしているのかはわからなかった。
でも、なぜか澪が悲しそうな顔をするから。
そんな顔、してほしくないのに。
「送ってくれてありがとう。じゃあまた明日ね」
いつの間にか、澪の家の前に着いていた。
澪の姿が見えなくなったのを確認して、もと来た道を戻る。
『──朔が本当に好きなものを知りたいんだよ』
「……澪だよ。」
澪のことが何よりも一番大事で、誰よりも好きだ。
でも、澪がそう思う必要はない。
こんな俺を好いてもらえるとは思ってない。