その溺愛、危険度99%につき

だから、こんな気持ちになるのは、俺だけでいい。


澪に俺のことを思い出して欲しい。
思い出して欲しくない。

そんな矛盾した感情が、罪悪感と一緒にいつも俺の中にある。

最初は、もう一度その姿を見たいって、ただそれだけだったはずなのに、俺は自分の我儘で澪のそばにい続けようとしてる。


真っ直ぐな澪のそばにいたら、俺もそうなるんじゃないかって思った。
昔のことは全部なかったことになって、正真正銘、ただの榛名朔になれるかもって。

でも、澪のそばにいると、自分の人として欠けている部分が、まるで影が濃くなるように浮かんでくるような気がして。


澪のそばにいるのは嬉しくて、そして苦しい。




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