その溺愛、危険度99%につき
う、怒られそう。
だって仕方ないじゃん。
早く会わないとって、会って伝えないとって思ったんだもん。
「これ、返しにきた」
パーカーの入っている紙袋と私を交互に見て、朔はため息を吐いた。
「……呼んでくれれば取りに行ったのに」
「ううん、私が渡しに行きたかったの」
「ありがとう。でも、夜に1人で出歩くのはやめて。俺は澪になにかあったらって気が気じゃない」
どうしてそんなに気遣ってくれるのか。
心配してくれるのか。
私に、執着するのか。
それは、昔会った時のことが関係してるんでしょ?
ちら、とすぐ横にある扉に視線を移した。
この先の朔の部屋。
きっと、ここには私に見せたくない朔自身がいる。
昔、初めて会った時の朔の姿を思い出す。