その溺愛、危険度99%につき
全てのことにおいてどうでもいいと思っているような、そんな顔をしていた。
最初、私はこの扉を叩いて、無理矢理にでも朔を引っ張り出そうとしてたけど……
「……やめる。」
「なに……」
「朔のことを知ろうとするの、やめる。
朔が嫌がるようなこと、したくないから」
私の言葉に、朔が目を見開いたのがわかった。
「でも、朔のことが知りたいって気持ちは変わらないよ」
朔がそうして欲しいなら私からは何も聞かないけど、朔のことを放っておくつもりはないし、1人にはさせない。
ただの正義感の話じゃないんだよ。
そういうことは関係ないの。
「朔のことが好きだから」
ただ、それだけなんだよ。
「朔が昔のことをどう思っていようが、私は……"あの時"、朔に会えてよかったって、そう思うよ」