その溺愛、危険度99%につき

いや、うん、って、え?
つまり、どういうこと……

ゆっくりと私との距離を縮めて、ほんの少し顔を傾けて。

視線の先は、私の唇。



「だめ?」



その声で、朔が何をしようとしているのかがようやくわかった。

じわじわ、体が熱くなる。たぶんいま、顔も耳も首も、赤いと思う。

また私を見つめる朔の瞳に、吸い込まれそうだった。



「……だめ、じゃな──っん、ぅ」



触れた唇は熱くて、頭、おかしくなりそう。
熱くて、気持ち良くて、こんな感覚はじめてで。

気持ちいいのに、なんだか悪いことをしているようで、怖くなる。


「んぅ、っあ、な、なに、」
「だいじょーぶだから、口あけて」

「は、む、むり、わかんない……」

「はは、するんならもっとましな言いわけして」



朔のキスは、甘くて優しくて、そして暴力的で、心臓が壊れてしまいそうだった。






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