その溺愛、危険度99%につき

ガシっ、と少し強い力で朔は私の頭を片手で掴んだ。
にっこり、優等生の笑みを浮かべて、「ね?」なんてさらに圧をかけてくる。


「あの、い、痛いんですが……」
「隣に突っ立ってるだけで本当に慣れると思うの?」

「えっ」

「ちょっとずつ触る。手伝ってあげるから頑張ろうね」


て、手伝うって、それ、私からしたら何の意味もない気がするんだけど……!?

さーっと血の気が引いたタイミングで予鈴が鳴る。



「じゃあ、また放課後に迎えに来るよ」



撫で付けるように髪に触れる朔。
いつも通りの笑顔なのに、逃がさないって言われてるみたいで。

本当に、勘弁してほしい。



「澪ちゃん、榛名くんと付き合ったことは皆んなには内緒なの?」
「あ、うん……なんとなく、恥ずかしくて」
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