その溺愛、危険度99%につき
朔が出て行った教室の扉を見ながら、ため息を吐いた。
もう少し自分の気持ちが落ち着いたらその時には、って思ってるけど。
「そうなんだ……」
「やっぱり良くないと思う?朔も不満そうだったし」
「ううん、わざわざ自分たちから言わなくてもいいかなぁとは思うけど……でも、ちょっともったいないかな?」
もったいない?なにが?
人差し指をあごに当てて、「だって、考えてみて?」って、何かを考えるように首を傾ける奈子。
「榛名くん、モテるでしょ?本人は相手にしていないけど、告白だってよくされてるよね?」
「うん。」
「それって、榛名くんに彼女がいない・澪ちゃんは榛名くんの彼女じゃないって、皆んな思ってるからだと私は思うのね?」
「そう、かもね?」