その溺愛、危険度99%につき
「そうなのかなぁ。なんか……どんどん自分が変わっていきそうでちょっと不安」
「あはは。可愛いねぇ、澪ちゃんは」
「奈子〜ふざけないでよ〜」
「ふざけてないよ〜。変わっていくのなんて当たり前のことだから大丈夫」
当たり前のことなんだ……。
そうだとしたら、朔に触れられて、自分が自分じゃないような気になるのも、おかしなことじゃない?
じーっと奈子を見る。
「奈子ってさぁ、恋愛経験結構あるよね?ある感じのセリフだよね?今の」
「あはは。普通だよ〜」
ゆらゆら手を振って、ふわりと笑う奈子。
1年の頃からの仲だけど、意外と初めて知る一面もあるんだなぁ。
……よく考えてみれば、朔に出会わなければ私は奈子と仲良くなることもなかったのかもしれない。
あの時のことが、無意識にでも私の心の根っこの部分を支えてくれていたような気がする。
「……朔に悪いことしちゃったかなぁ……」
ぽつり呟いた言葉に、奈子は優しく笑った。
「榛名くんのことが好きだって、ちゃんと言葉にすれば大丈夫だよ」