その溺愛、危険度99%につき





「──澪、帰ろ」



その声に顔をあげた。
帰りのHRが終わった教室、まだクラスメイトがちらほらと残っている中で、朔はいつの間にか私の席の前に立っていた。



「ごめん、あとちょっとで終わるんだけど待てる?」
「いくらでも待つ。ゆっくりでいいよ」



ゆるりと笑う朔に、ドキッとしてしまう。
日誌に走らせていたシャーペンをぎゅっと握って、「ありがと」って、なんとかそう言った。


ちらほらとクラスメイトはまだ残っているけど、皆んな朔が迎えに来ることはなんとも思っていなさそう。
毎日のように私のところに来るから、もう日常の一コマみたいになってるんだろうなぁ。


まぁ、だからこそ朔と付き合ってるってこともバレていないんだろうけど……。

……ていうか。
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