その溺愛、危険度99%につき
「──あの、榛名くん……」
突然聞こえた女の子の声に、思わずガタッと椅子を引いて朔との距離をとった。
び、びっくりした……!
「ごめんね、少しだけいいかな?」
どことなく雰囲気が奈子に似てて、可愛い女の子だった。
私のクラスメイトじゃないから、きっと他クラスの子。
朔を呼び出すってことは、いつもの告白かな……。
ちら、と私を見た朔と目が合う。
わ、私の方を見たって意味ないでしょ。
「呼ばれてるんだから、行きなよ……私は日誌職員室に持ってかないといけないし」
「……わかった。じゃあ靴箱で待ってて」
「場所変えようか」って、立ち上がった朔が女の子に向かってそう言った。
そっと、2人の後ろ姿を見る。
付き合ってることは内緒なんだし、私が行かないでって言う筋合いはないんだし。