その溺愛、危険度99%につき

背後には冷たい壁。精一杯後ろに下がろうとしたって朔との距離は開かない。



「キスしたい」
「っ、」



恥じることもなくストレートに言葉にする朔に、私はいつも翻弄されてる。

朔ばっかり、いつもずるい。


「ちょっとずつじゃないじゃん……」
「澪から俺に触ってきたんだからもういいだろ」

「……誰か来たらどうするの」


朔の瞳に、赤くなった私が映っている。
至近距離で私を見つめたまま、朔はさらりと言った。



「見せつければいいよ。」



その熱に、浮かされる。
頭はくらくらで、体はふわふわと力が入らない。

角度を変えては何度も落とされる甘い熱に、思考も、判断能力もぜんぶ溶かされているみたい。

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