その溺愛、危険度99%につき
「……これ、なんでふたつ?」
「あ、えと、一個は私の。私よく朔の部屋お邪魔してるし、どうせ買うならおそろいが欲しくて」
それに、朔の部屋に私のものが増えるのって、なんかいいなぁって思って。ごめんね、これはただのわがままなんだけどさ。
でも、これから少しずつ、私たちの思い出も増えていくでしょ。
今はマグカップだけだけど、そのうちもっと色んなものが朔の部屋にも溢れていくと思うの。
写真とか、お揃いの靴とか、旅行に行った時のお土産とか。
「これはその第一号、みたいな……って、」
どうしよう。朔がなにも言ってくれない。
さすがにうざかった!?いらなかった!?
朔からの反応が返ってこなくて、心配になってくる。
「……俺はいつも、澪から色んなものをもらいすぎてる気がする」
「え?」