その溺愛、危険度99%につき
「……知らね。それは朔がいつか教えてくれるんじゃねーの」
「いつかっていつ?」
「朔に聞けよ。俺こいつらどーにかしなきゃいけねぇんだよ。誰かさんのせいでよ」
「……」
「あと、一応タメだから。敬語とかめんどくせぇからいらねぇ」
しっしっ、と手のひらで追い払うような仕草をする。
「朔、もうそいつ連れてけよ。貸し一つな」
光輝の声を合図に、榛名くんが私の左手をさっきと同じように握った。
路地裏を抜けて、駅まで2人で並んで歩いて。
その間一言も言葉を交わさなかったけど。
「怖がらせてごめん」
改札を抜けようとした時、榛名くんがそう言ったのが聞こえた。
「……別に……怖かったけど、でも、榛名くんが守ってくれたし……」