その溺愛、危険度99%につき
20%
「──澪、」
「ん……」
揺れる電車の中で目を覚ました。
電車の窓からは見慣れた景色が流れてる。
しばらくボーッとしていたけど、帰りの電車で寝ちゃったんだな、と気づいた。
それにしては首も痛くない。
抱き枕かなにかに寄りかかってるみたいに、体が楽。
「俺、幸せすぎて死にそう」
なんて、優等生ぶってる奴が言う。
何言ってるんだか。
ただ2人並んで座ってるだけ、なの、に……?
「……」
私、いま何に寄りかかってるんだろう。
なんか妙にいい匂いで、柔らかい何かだとは思うんだけど。
恐る恐る、視線を上に向けた。
「何の夢見てたの?すごいしかめっ面してた」
「ひっ……!?」