その溺愛、危険度99%につき

ガクッとうなだれる私の頭を、奈子がよしよしと撫でてくれる。


「じゃあ、また放課後迎えに来るから。勝手に帰らないでね」
「はいはい、分かってますー」


予鈴のチャイムと共に自分の教室へと戻っていく朔に手を振る。


「澪ちゃんと榛名くん、さらに仲良しさんになったねぇ」
「何言ってるの!仲良しっていうか私が振り回されてるだけだよ、こんなの」

「でも榛名くんからどこか行こうって誘うの、初めてのことだよね?今まではただ一緒に帰ってただけなのに」
「あぁ、それはたぶん……」


たぶん、この間カラオケに行って、カフェでお茶をして帰ったからだ。
想像以上に楽しかったみたいで、またこういうことしたいって言ってたもんなぁ。
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