その溺愛、危険度99%につき
Ⅱ
39%
毎朝、玄関の扉を開けると、決まっていつも朔が家の前にいる。
「おはよう、澪」なんて当たり前のように笑う朔に「……おはよう」って挨拶を返して、
こうして2人並んで一緒に学校に行くのがいつもの流れ。
どうして私の家を知っているのか、とか、なんでわざわざ一緒に学校に行かないといけないのかとか。
最初はそんなことも思っていたけれど。
ずっと笑ってはぐらかされていくうちに、考えるのも面倒になってしまった。
「寝癖ついてる。時間に余裕なかったの?」
「そうなんだよね。試験終わってホッとしたからかな、いつもより起きるの遅くなっちゃって」
一本後の電車にズラせば良かったんだけど、朔を待たせるのもどうかと思って。