その溺愛、危険度99%につき
『当たり前だろ。澪のためならなんでもするっていつも言ってるじゃん』
いや、でも、結構親身になって教えてくれたよね……?
自分の勉強時間も削ってくれたんだろうし……
「っああもう!分かったよっ、髪だけだからね!?」
こればっかりは仕方ない。
これ以上はぜったいに許さないんだからっ。
「良かった」なんて、そう言いながら笑う朔。
まるでこうなることが分かっていたかのようで、本当にむかつく。
「──え、ちょっと、そっちから行くの?」
家から駅までの道のり。
いつもとは違う道を行こうとする朔にそう言う。
「うん。たまにはいいだろ」
「たまにはって……最近毎日違う道じゃん」
「ま、いいからいいから。澪はなにも気にしなくていいよ」