その溺愛、危険度99%につき

そんなことよりも私は……


「俺のこと"なんか"って、そんな風に言わないでよ」


朔は、たまに寂しいことを言う。
例えば友達はいらない、とか、そんな感じの。


「……澪って、教室の隅っこで1人になってる奴とか絶対放っておけないタイプだよね」

「……悪い?」
「全然。澪のそういう所、いいなって思うけど」

「けど……?」


「そのせいで何回1人で泣いたことあるんだろうって思って。」



瞬間、頭の中に思い浮かんだのは、中学の頃の記憶だった。



『──ぜんぶ澪ちゃんのせいだよ』



あの時の言葉を思い出すだけで、頭が重くなってくる。
……最悪。嫌なこと思い出しちゃったな。

眉を寄せる私を見て、朔はスッと目を細めた。
< 88 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop