その溺愛、危険度99%につき
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「──ねぇ澪ちゃん、本当に榛名くんに何も言わずにこんなところに来ちゃっていいの?」
「いいの。今日はアイツのこと無視するって決めたから」
「えぇっ……も、もしかして今日のことが原因で……?」
放課後、私は奈子とバイト先のハンバーガー屋に来ていた。
ハンバーガーを前に、心配そうな顔をする奈子。
「そう。私が虫が嫌いって言ったら、虫のおもちゃで驚かしてきたでしょ、辛い物が苦手って言ったらお昼に激辛カップ麺食べさせようとしたでしょ。ムカつくから無視するって決めたの」
「そうだよね……澪ちゃんのこと大好きなのにどうしてそんなことしたんだろう」
ジュースを飲みながら、今日の朔の姿を頭に思い浮かべる。
『俺が1番最初に澪のこと泣かせたいと思って』
アイツ……怒る私を気にせずに、激辛カップ麺片手にケロッとそう言ってたな……。