その溺愛、危険度99%につき

ぎゅ、と手のひらを握りしめた。
それでもやっぱり、ありがとうって言うのは私の方だと思うんだよ。



『──澪ちゃんが余計なこと言うから』



自分が正しいと思ってしたことに、優しさが返ってこないこともあるって、私は知ってる。



「もしかしたら、榛名くんも澪ちゃんに優しくされたことがあるんじゃないかな」
「え、」

「澪ちゃんって気づかい屋さんでしょ?無意識に誰かのこと救ってた、なんてことあってもおかしくないと思うけどな〜」

「まさかぁ……そんなことあるわけないよ」



朔とはつい数ヶ月前に初めて話をしたんだし。
でも朔を見ると、なんだか懐かしいような、そんな風に感じる時がたまにあるんだよね……

どうしてだろう?
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