憎きセカンドレディに鉄槌を!(コミカライズ原作『サレ妻と欲しがり女』)
***
(見るからに生真面目で、なにも知らない男を自分色に染める楽しみがあって、マジで毎日がおもしろい――)
Sを極めてる私だからこそ、Mの気持ちがよくわかる。相手の秘めた属性を見抜き、その都度自身の属性を変えて行為を楽しんでいた。
「良平きゅん、お待たせ。明日はやっぱり私がお弁当を作るね」
先に会社を出た上條課長に急いで追いつき、並んで一緒に歩く。走ったせいで乱れてしまった前髪を、きちんと整えるのを忘れない。ついでにほかの社員がいないかをチェックする。
いつも残業してばかりの上條課長を部長が早く帰してくれたおかげで、当然会社の人間はいない。ちなみに私は生理休暇を使って出てきた。
「美羽に作らせるからいいって」
「美羽先輩がお弁当を作れないくらいに、今夜は励んでほしいの♡」
かわいらしくにっこり笑う私を見て、上條課長は眉を顰めた。当然だろう。愛人が妻と仲良くヤれなんて言うこと自体おかしいのだから。
「あのね、春菜と美羽先輩のどっちがいいか、しっかり比べてほしいんだ」
「比べるなんて、そんなの――」
「比べる以上、春菜にしてるコトみたいな、刺激のあるお遊びを美羽先輩にしないと、同じ土俵に立ったことにはならないでしょ。だからまずはね」
私は上條課長の利き手を掴み、すぐ傍のコンビニに引っ張った。そのままドリンクコーナーに向かって、度数が一番高いお酒を手に取る。
「はい。良平きゅんはこれを買って、外で一気飲みしてくださーい」
そこまでお酒の強くない彼が酔うと、めんどくさい性格がさらに酷いことになる。そのことを経験済みなので、美羽先輩にも体感してもらわないとなぁって考えたけど、一年以上付き合っていたら、知ってる事実かもねぇ。
「空きっ腹にアルコールを入れるのは、ちょっと……」
(おまえは文句を言わずに、春菜の言うことだけを聞けばいいんだって!)
「美羽先輩との久しぶりのエッチを、良平きゅんは楽しみたくないのぉ?」
日頃、私で性欲を発散しているとはいえ、そろそろ飽きが出てくる。だからそのタイミングで、美羽先輩とヤってほしかった。
(見るからに生真面目で、なにも知らない男を自分色に染める楽しみがあって、マジで毎日がおもしろい――)
Sを極めてる私だからこそ、Mの気持ちがよくわかる。相手の秘めた属性を見抜き、その都度自身の属性を変えて行為を楽しんでいた。
「良平きゅん、お待たせ。明日はやっぱり私がお弁当を作るね」
先に会社を出た上條課長に急いで追いつき、並んで一緒に歩く。走ったせいで乱れてしまった前髪を、きちんと整えるのを忘れない。ついでにほかの社員がいないかをチェックする。
いつも残業してばかりの上條課長を部長が早く帰してくれたおかげで、当然会社の人間はいない。ちなみに私は生理休暇を使って出てきた。
「美羽に作らせるからいいって」
「美羽先輩がお弁当を作れないくらいに、今夜は励んでほしいの♡」
かわいらしくにっこり笑う私を見て、上條課長は眉を顰めた。当然だろう。愛人が妻と仲良くヤれなんて言うこと自体おかしいのだから。
「あのね、春菜と美羽先輩のどっちがいいか、しっかり比べてほしいんだ」
「比べるなんて、そんなの――」
「比べる以上、春菜にしてるコトみたいな、刺激のあるお遊びを美羽先輩にしないと、同じ土俵に立ったことにはならないでしょ。だからまずはね」
私は上條課長の利き手を掴み、すぐ傍のコンビニに引っ張った。そのままドリンクコーナーに向かって、度数が一番高いお酒を手に取る。
「はい。良平きゅんはこれを買って、外で一気飲みしてくださーい」
そこまでお酒の強くない彼が酔うと、めんどくさい性格がさらに酷いことになる。そのことを経験済みなので、美羽先輩にも体感してもらわないとなぁって考えたけど、一年以上付き合っていたら、知ってる事実かもねぇ。
「空きっ腹にアルコールを入れるのは、ちょっと……」
(おまえは文句を言わずに、春菜の言うことだけを聞けばいいんだって!)
「美羽先輩との久しぶりのエッチを、良平きゅんは楽しみたくないのぉ?」
日頃、私で性欲を発散しているとはいえ、そろそろ飽きが出てくる。だからそのタイミングで、美羽先輩とヤってほしかった。