憎きセカンドレディに鉄槌を!(コミカライズ原作『サレ妻と欲しがり女』)
しかしながら良平さんが傍にいるため、今朝のようになにかされるかもしれないと考え、常に気を張り続ける。
「抓ったところ、痛んでいないか?」
「大丈夫だよ。ほんの一瞬のことだったからかな」
「よかった……。あとさ、その」
「うん?」
「スマホ、見せてほしい」
その一言に、ザーッと全身の血の気が引いた。スマホの検索サイトを見られたりしたら、良平さんの浮気を調べようとしていたことがバレてしまう!
「す、スマホを見るってどうして?」
声が震えないように、一生懸命に平静を装って訊ねた。
「今朝もチラッと言ったけど、俺はしっかり避妊してたのに、美羽が妊娠するなんて信じられなくてさ」
「…………」
「浮気、してないよな?」
「してるわけないでしょ。そんなに疑うのなら、ライン見て確認して!」
即答してサイドテーブルに置いてあるスマホを手にし、結婚記念日を入力後、ラインをタップして画面に表示する。検索サイトを見られないようにするための手段だった。
「私のスマホを見せるんだから、良平さんも見せて。仕事だからって、ここのところ遅すぎだよね?」
浮気相手の髪の毛と使用済みの避妊具のほかに、決定的な証拠を掴もうとズバッと切り込む。
「いいよ。ラインと一緒に、ほかのメッセージアプリも見るといい」
良平さんはスラックスのポケットからスマホを取り出し、私と同じようにパスコードを手早く打ち込んだ。
(結婚したときは同じパスコードにしたハズなのに、今の見慣れない1221って番号はなに?)
「良平さん、パスコード変えたんだね」
「あ~、これな。会社にある重要書類なんかをしまってる部屋があるだろ?」
「うん……」
「不定期に暗証番号が変わるせいで覚えられなくて。それに合わせてるんだ」
「そうだったんだ、大変だね」
言いながらお互いのスマホを交換する。視線を落とした先にあるラインの画面から、それらしき相手を探すべく、血眼になって見入った。
「美羽、そんなに俺の浮気を疑ってたのか? すごい顔してる」
「良平さんだって疑ってるクセに!」
「あはは、俺は清廉潔白だよ。美羽のために毎晩頑張って、必死に働いてただけなのにな」
(もしや浮気相手の名前をわからないように、細工しているのかも。簡単にできるなら男性名にして、うまいこと誤魔化しているのかもしれない)
「私だって浮気してないよ。確かめてみて」
私こそ清廉潔白だからこそ、堂々と受けてたった。疑う私の視線が注がれる中、良平さんは私がやり取りしてるラインのメンバーに表示される名前を、すいすい指を滑らせながら、懸命に確認していく。
スクロールして下の欄まで見たあとに、なぜか設定画面を開かれた。
「美羽、早く俺のスマホを返してくれ」
「あっ、ごめんなさい。すぐに見てみる」
女性の名前を見つけるたびにトークを確認してみたけれど、それらしいやり取りはなかった。職場で知ってる男性を省いて、知らない男性名に触れると。
「ソイツは取引先の課長さん。その下にいるのは大学時代の同期」
良平さんは手元を見て、次々に答えていく。どうやら私のスマホのチェックが終わっているらしい。
「美羽の友達の数が、思っていたよりも少なくて驚いた」
「そうだね。結婚して、暇してる友達を探すほうが難しいかも」
「浮気してないことがわかって、すっごく安心した」
言うなり私に抱きつき、首筋に顔を寄せながら胸をお触りしてくる。
「抓ったところ、痛んでいないか?」
「大丈夫だよ。ほんの一瞬のことだったからかな」
「よかった……。あとさ、その」
「うん?」
「スマホ、見せてほしい」
その一言に、ザーッと全身の血の気が引いた。スマホの検索サイトを見られたりしたら、良平さんの浮気を調べようとしていたことがバレてしまう!
「す、スマホを見るってどうして?」
声が震えないように、一生懸命に平静を装って訊ねた。
「今朝もチラッと言ったけど、俺はしっかり避妊してたのに、美羽が妊娠するなんて信じられなくてさ」
「…………」
「浮気、してないよな?」
「してるわけないでしょ。そんなに疑うのなら、ライン見て確認して!」
即答してサイドテーブルに置いてあるスマホを手にし、結婚記念日を入力後、ラインをタップして画面に表示する。検索サイトを見られないようにするための手段だった。
「私のスマホを見せるんだから、良平さんも見せて。仕事だからって、ここのところ遅すぎだよね?」
浮気相手の髪の毛と使用済みの避妊具のほかに、決定的な証拠を掴もうとズバッと切り込む。
「いいよ。ラインと一緒に、ほかのメッセージアプリも見るといい」
良平さんはスラックスのポケットからスマホを取り出し、私と同じようにパスコードを手早く打ち込んだ。
(結婚したときは同じパスコードにしたハズなのに、今の見慣れない1221って番号はなに?)
「良平さん、パスコード変えたんだね」
「あ~、これな。会社にある重要書類なんかをしまってる部屋があるだろ?」
「うん……」
「不定期に暗証番号が変わるせいで覚えられなくて。それに合わせてるんだ」
「そうだったんだ、大変だね」
言いながらお互いのスマホを交換する。視線を落とした先にあるラインの画面から、それらしき相手を探すべく、血眼になって見入った。
「美羽、そんなに俺の浮気を疑ってたのか? すごい顔してる」
「良平さんだって疑ってるクセに!」
「あはは、俺は清廉潔白だよ。美羽のために毎晩頑張って、必死に働いてただけなのにな」
(もしや浮気相手の名前をわからないように、細工しているのかも。簡単にできるなら男性名にして、うまいこと誤魔化しているのかもしれない)
「私だって浮気してないよ。確かめてみて」
私こそ清廉潔白だからこそ、堂々と受けてたった。疑う私の視線が注がれる中、良平さんは私がやり取りしてるラインのメンバーに表示される名前を、すいすい指を滑らせながら、懸命に確認していく。
スクロールして下の欄まで見たあとに、なぜか設定画面を開かれた。
「美羽、早く俺のスマホを返してくれ」
「あっ、ごめんなさい。すぐに見てみる」
女性の名前を見つけるたびにトークを確認してみたけれど、それらしいやり取りはなかった。職場で知ってる男性を省いて、知らない男性名に触れると。
「ソイツは取引先の課長さん。その下にいるのは大学時代の同期」
良平さんは手元を見て、次々に答えていく。どうやら私のスマホのチェックが終わっているらしい。
「美羽の友達の数が、思っていたよりも少なくて驚いた」
「そうだね。結婚して、暇してる友達を探すほうが難しいかも」
「浮気してないことがわかって、すっごく安心した」
言うなり私に抱きつき、首筋に顔を寄せながら胸をお触りしてくる。