憎きセカンドレディに鉄槌を!(コミカライズ原作『サレ妻と欲しがり女』)
 私の星座である射手座は、半人半馬のケンタウロス。上半身と下半身は別物でできてる。頭の中では浮気・不倫という不貞行為をしてはいけないとわかっていても、略奪してヤりたいという本能が暴走し、下半身は相手を求めてしまうの。

 射手座の私がてんびん座の上條課長に狙いを定め、持っている弓で彼の心臓を射抜いた。だけど彼の心は美羽先輩で占められていて、私の入る隙間がどこにもないことが、付き合っていくうちにわかった。

 だから狙い打ちして、刺激したんだよ。上條課長の隙ありまくりの体と性癖を――。

「俺は春菜と別れたくない……」

「あれれ~? 春菜と別れたくないなんて、美羽先輩とうまくヤれなかった感じぃ?」

 М男ならぬМ平に育てて従順に飼い慣らし、鞭打ちされて啼いて悦んでる写真を美羽先輩に送りつけて、おまえの旦那はこんな情けない男だよって、ショックを与えてやろうと思った。だけどこの作戦は期間が短い上に、これくらいじゃ生ぬるい。

「うまくヤれない以前に、美羽のおなかには俺のコがいるんだ。口では罵ることを言えても、行為自体はいつもより優しくした感じになった」

 そのセリフで、歯軋りするほどの悔しい気持ちが、ぶわっと胸の中に渦巻いた。

(久しぶりに愛する奥さんを抱くことができて、嬉しさのあまりに腰を激しく何度も打ちつけなかったっていうの!? それじゃあ母体に、ダメージを与えることができないじゃん)

「良平きゅん、やさしー。春菜には酷いコトするのにぃ。でもそんなところも大好きだよ♡」

 私の持っている弓が、上條課長から狙いを変える。春菜を都合のいい女として引き留めようとする彼に、罰を与えなければならない。

「美羽先輩にバレないように、これからもよろしくね」

 狙った獲物を確実に仕留めるために、まずはなにをしようかな――。
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