憎きセカンドレディに鉄槌を!(コミカライズ原作『サレ妻と欲しがり女』)
対峙
後輩だった長谷川さんのスマホの番号は当然知らない上に、ラインでも繋がっていないので、思いきって直接会社に電話して、本人にアポをとった。
私の要求に素直に応じた、彼女が口にしたのは。
『美羽先輩だって、めんどくさいことを早く終わらせたいですよね。今日の仕事が終わる時間……午後5時半に、会社の傍にあるファミレスで待ち合わせません?』
まったくごねることなく、こんなに早く私に会ってくれることに若干ビビりながら、約束をとりつけて電話を切る。すかさず学くんに、さっきの内容をラインした。
既読がついたと思った瞬間、手にしたスマホが鳴り出し、おっかなびっくりしながら画面をタップする。
「もっ、もしもし!」
「もしもし、美羽姉。悪い、さっきの時間帯に、編集部で外せない打ち合わせがあるんだ」
押し殺した声で告げた学くん。スマホのむこう側から、様々な声や響きが入り混じってるせいで、私の声がかき消されてしまうかと思った。
「そうなんだ。スクープをとった学くん、今はノってるときだもんね」
「そうなんだけどさ。とりあえず打ち合わせをさっさと済ませて、直ぐそっちに駆けつけるから、それまで待てないかな」
学くんは私のことを心配したんだろう。確かに一緒のほうが心強いけれど、そうも言っていられない。だってあの長谷川さんに隙を見せた時点で、一刀両断されることがわかる。
「向こうが時間と場所を指定したのに遅れたりしたら、ここぞとばかりに集中砲火を食らうと思う。それなら私ひとりで、事前に打ち合わせどおりに話を進めておくから安心して」
「わかった。打ち合わせが終わり次第、急いで合流する。出版社が近くにあって助かったわ」
「そうなんだ」
「俺が到着するまで、あんな女に負けるんじゃないぞ。じゃあな!」
まくし立てるように学くんは告げるなり、通話が切れてしまった。すごく忙しい中なのに、私のプライベートに巻き込んでしまって本当に申し訳ないけど、彼のお蔭で頑張れる自分がいた。
「痛た……。頑張ろうって気合いを入れたら、おなかが張ってきちゃうなんて。もっと強いお母さんにならないとダメだよね」
学くんの調べた情報をもとにして、今日の作戦をしっかり練った。ひとりきりじゃない、おなかのコと一緒に長谷川さんに思いきりぶつかってやる!
私の要求に素直に応じた、彼女が口にしたのは。
『美羽先輩だって、めんどくさいことを早く終わらせたいですよね。今日の仕事が終わる時間……午後5時半に、会社の傍にあるファミレスで待ち合わせません?』
まったくごねることなく、こんなに早く私に会ってくれることに若干ビビりながら、約束をとりつけて電話を切る。すかさず学くんに、さっきの内容をラインした。
既読がついたと思った瞬間、手にしたスマホが鳴り出し、おっかなびっくりしながら画面をタップする。
「もっ、もしもし!」
「もしもし、美羽姉。悪い、さっきの時間帯に、編集部で外せない打ち合わせがあるんだ」
押し殺した声で告げた学くん。スマホのむこう側から、様々な声や響きが入り混じってるせいで、私の声がかき消されてしまうかと思った。
「そうなんだ。スクープをとった学くん、今はノってるときだもんね」
「そうなんだけどさ。とりあえず打ち合わせをさっさと済ませて、直ぐそっちに駆けつけるから、それまで待てないかな」
学くんは私のことを心配したんだろう。確かに一緒のほうが心強いけれど、そうも言っていられない。だってあの長谷川さんに隙を見せた時点で、一刀両断されることがわかる。
「向こうが時間と場所を指定したのに遅れたりしたら、ここぞとばかりに集中砲火を食らうと思う。それなら私ひとりで、事前に打ち合わせどおりに話を進めておくから安心して」
「わかった。打ち合わせが終わり次第、急いで合流する。出版社が近くにあって助かったわ」
「そうなんだ」
「俺が到着するまで、あんな女に負けるんじゃないぞ。じゃあな!」
まくし立てるように学くんは告げるなり、通話が切れてしまった。すごく忙しい中なのに、私のプライベートに巻き込んでしまって本当に申し訳ないけど、彼のお蔭で頑張れる自分がいた。
「痛た……。頑張ろうって気合いを入れたら、おなかが張ってきちゃうなんて。もっと強いお母さんにならないとダメだよね」
学くんの調べた情報をもとにして、今日の作戦をしっかり練った。ひとりきりじゃない、おなかのコと一緒に長谷川さんに思いきりぶつかってやる!