春色の恋−カナコ−[完]
「どうぞ」
一足先に席に着いていたおにいちゃんに進められるがまま、おにいちゃんの向かい側に座って。
私の隣に河合さんも座り、出されたお茶を一口飲んだ。
河合さん、すごく緊張しているのかも。
いつもよりも硬い表情が、河合さんでも余裕がなくなることがあるんだということを感じさせて。
なんだかつられて私まで緊張してしまう。
「なに、二人とも緊張しているんだね」
くすくす笑うおにいちゃんも、目の前にあるお茶を飲んでいて。
少しだけ困った顔をしているのは、私の気のせいじゃないと思う。
「お兄さん」
まっすぐにおにいちゃんを見つめる河合さんから、聞きなれない言葉が出てきて。
思わず、横にいる河合さんに顔を向けてしまった。
「なんだよ、お兄さんって」
決して河合さんを茶化すわけじゃなくて、顔は真剣なんだけどおにいちゃんもどうしたらいいのかわからなくて戸惑っているのかも。
「カナコさんと、結婚を前提としたお付き合いをさせていただいてます」
「知ってるよ」
くすくすと笑うおにいちゃんだけど、河合さんが心配していたような反応ではもちろんなくて、でもちょっとだけ安心した。
一足先に席に着いていたおにいちゃんに進められるがまま、おにいちゃんの向かい側に座って。
私の隣に河合さんも座り、出されたお茶を一口飲んだ。
河合さん、すごく緊張しているのかも。
いつもよりも硬い表情が、河合さんでも余裕がなくなることがあるんだということを感じさせて。
なんだかつられて私まで緊張してしまう。
「なに、二人とも緊張しているんだね」
くすくす笑うおにいちゃんも、目の前にあるお茶を飲んでいて。
少しだけ困った顔をしているのは、私の気のせいじゃないと思う。
「お兄さん」
まっすぐにおにいちゃんを見つめる河合さんから、聞きなれない言葉が出てきて。
思わず、横にいる河合さんに顔を向けてしまった。
「なんだよ、お兄さんって」
決して河合さんを茶化すわけじゃなくて、顔は真剣なんだけどおにいちゃんもどうしたらいいのかわからなくて戸惑っているのかも。
「カナコさんと、結婚を前提としたお付き合いをさせていただいてます」
「知ってるよ」
くすくすと笑うおにいちゃんだけど、河合さんが心配していたような反応ではもちろんなくて、でもちょっとだけ安心した。