春色の恋−カナコ−[完]
帰りに近所のスーパーで夕飯の買い物をし、帰宅してからのんびりと下ごしらえを済ます。

まだお腹もすいていないし…部屋から読みかけの雑誌を持ってきて、コーヒーを飲みながらソファで読んでいた。

今年は夏に水着を新調したいな…。

河合さんと、海とか行けるんだろうか。

ファッション誌に載っている、水着の特集を見ながらそんなことを考えていた。

何色?河合さんはどんなタイプの水着が好きなんだろう?

雑誌を見ていても、考えることは河合さんのことばかりな自分に気がついて、笑ってしまった。

そろそろ夕飯の支度を始めようと立ち上がり、キッチンで調理をして。

自分の分とおにいちゃんの分をとりわけ、おにいちゃんの分はレンジで温めなおしができるようにラップをかけておいた。

「いただきます」

こうして一人で夕飯を食べるのも慣れたけど、やはりちょっとさみしい。

静かなのがいやで、なんとなくテレビをつけると音楽番組。

最新のヒット曲を聴きながら、ゆっくりと夕飯をすませた。

片付けをした後湯船でゆっくり本を読んで一人の時間を満喫。

もし、もし結婚したらこういう時間ってなくなるのかな?
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