春色の恋−カナコ−[完]
『今夜は帰れそうにないんだ。今夕飯を食べるのにいったん会社を出たから電話したよ』
忙しいのに、合間の時間に電話をくれたことがうれしくて。
少しだけ話をして、最後におにいちゃんに電話が変わって河合さん同様、帰れないことを告げられた。
『戸締りだけはしっかりね。何かあったら電話して』
「はい。がんばってくださいね」
電話を切ると、なんだかぽかんと心に穴があいたような、寂しい気持ちだけが残ってしまった。
「早いけど、寝るかな…」
一人の時間を満喫…なんてお風呂では考えていたけど、寂しい気持ちはどうにもできない。
おにいちゃんのために用意しておいた夕飯を冷蔵庫に入れる。
よくあることだけど、この時間がすごくさみしい。
戸締りと火の元を確認し、自分の部屋へと移動する。
なんとなく机にあった本を読んだりしてみたけど、集中できないのであきらめてベッドに入った。
もし。
もし、私と河合さんが結婚したら、こうして毎日河合さんの帰りを待つんだよね。
おにいちゃんと同じお仕事だから、今日みたいに帰れないこともよくあるのかもしれない。
そんな時、さみしく一人で待つことができるのだろうか?
今までだって、おにいちゃんが帰らない日はとても寂しかったけど、待つことができた。
きっと、大丈夫だよね。
いつか来る、河合さんとの結婚生活を想像しながら、ゆっくりと瞼を閉じた。
忙しいのに、合間の時間に電話をくれたことがうれしくて。
少しだけ話をして、最後におにいちゃんに電話が変わって河合さん同様、帰れないことを告げられた。
『戸締りだけはしっかりね。何かあったら電話して』
「はい。がんばってくださいね」
電話を切ると、なんだかぽかんと心に穴があいたような、寂しい気持ちだけが残ってしまった。
「早いけど、寝るかな…」
一人の時間を満喫…なんてお風呂では考えていたけど、寂しい気持ちはどうにもできない。
おにいちゃんのために用意しておいた夕飯を冷蔵庫に入れる。
よくあることだけど、この時間がすごくさみしい。
戸締りと火の元を確認し、自分の部屋へと移動する。
なんとなく机にあった本を読んだりしてみたけど、集中できないのであきらめてベッドに入った。
もし。
もし、私と河合さんが結婚したら、こうして毎日河合さんの帰りを待つんだよね。
おにいちゃんと同じお仕事だから、今日みたいに帰れないこともよくあるのかもしれない。
そんな時、さみしく一人で待つことができるのだろうか?
今までだって、おにいちゃんが帰らない日はとても寂しかったけど、待つことができた。
きっと、大丈夫だよね。
いつか来る、河合さんとの結婚生活を想像しながら、ゆっくりと瞼を閉じた。