春色の恋−カナコ−[完]
朝。
いつものように朝食の準備をするためにキッチンへ向かうと、おにいちゃんが眠そうな顔をしてコーヒーを飲みながら新聞を読んでいるところだった。
「おはよう」
私の姿を確認してから、やさしい笑顔であいさつをしてくれるおにいちゃん。
「おはよ。今帰ったの?」
昨日とおなじネクタイを見て、寝ていないんだと確信する。
「ああ、少し前にね。カナコの顔を見てから少し眠ろうと思って」
いつもそうだった。
明け方帰宅しても、朝私が家を出る時には起きて私を見送ってくれるおにいちゃん。
夜会えない時は、朝顔を合わせるようにしてくれていた。
「ご飯は?食べてから寝る?」
あわててエプロンを腰に巻き付け、冷蔵庫を開けながらおにいちゃんに問いかけるけど、返事が返ってこない。
そっと振り向きながら確認すると、半分眠っているのか頭がゆらゆら揺れていて。
思わず笑いがこみあげてきてしまった。
おにいちゃんのそんな姿、めったに見られないし。
でも、私のために頑張って起きていてくれたんだから、笑ったら失礼だよね。
「おにいちゃん、ありがとね。一人でできるから、ゆっくり休んで」
そっと起こして寝ぼけているおにいちゃんを寝室へと連れて行き、布団に横にした。
いつものように朝食の準備をするためにキッチンへ向かうと、おにいちゃんが眠そうな顔をしてコーヒーを飲みながら新聞を読んでいるところだった。
「おはよう」
私の姿を確認してから、やさしい笑顔であいさつをしてくれるおにいちゃん。
「おはよ。今帰ったの?」
昨日とおなじネクタイを見て、寝ていないんだと確信する。
「ああ、少し前にね。カナコの顔を見てから少し眠ろうと思って」
いつもそうだった。
明け方帰宅しても、朝私が家を出る時には起きて私を見送ってくれるおにいちゃん。
夜会えない時は、朝顔を合わせるようにしてくれていた。
「ご飯は?食べてから寝る?」
あわててエプロンを腰に巻き付け、冷蔵庫を開けながらおにいちゃんに問いかけるけど、返事が返ってこない。
そっと振り向きながら確認すると、半分眠っているのか頭がゆらゆら揺れていて。
思わず笑いがこみあげてきてしまった。
おにいちゃんのそんな姿、めったに見られないし。
でも、私のために頑張って起きていてくれたんだから、笑ったら失礼だよね。
「おにいちゃん、ありがとね。一人でできるから、ゆっくり休んで」
そっと起こして寝ぼけているおにいちゃんを寝室へと連れて行き、布団に横にした。