春色の恋−カナコ−[完]
「え?」
おにいちゃんの申し出に、びっくりして声をだしてしまった。
お父さんとお母さんが使っていた寝室は、この何年かですっかりおにいちゃんの部屋となっていて。
もともとおにいちゃんの部屋だった2階の私の隣の部屋は、お父さんとお母さんの荷物置き場になっていて。
それらを入れ替えようと思うと、ひとりではとても無理だと思う。
「だって、すごい荷物でしょ?」
「ベッドはもともと父さん達のだろ、荷物を入れ替えるだけだし」
その荷物がすごい量だと思うんだけど!
私が反論しようとした時、手元にあった携帯がメール受信を知らせる音楽を鳴り響かせた。
「河合だろ?電話しておいで」
「え、でも」
にっこりと優しく笑うおにいちゃん。
でも、明日一人でなんて絶対無理なのに。
「友達に手伝いを頼むから、大丈夫だよ」
「トモダチ?」
おにいちゃんの言葉に、さっき見た赤い車を思い出す。
「ねえ、さっき送ってくれた人?」
どきどきしながらおにいちゃんに問いかけると、少し驚いた顔をして私を見た。
視線が逸れたと思うと、下を向いてクスッと笑う。
私、何か変なこと言った?
おにいちゃんの申し出に、びっくりして声をだしてしまった。
お父さんとお母さんが使っていた寝室は、この何年かですっかりおにいちゃんの部屋となっていて。
もともとおにいちゃんの部屋だった2階の私の隣の部屋は、お父さんとお母さんの荷物置き場になっていて。
それらを入れ替えようと思うと、ひとりではとても無理だと思う。
「だって、すごい荷物でしょ?」
「ベッドはもともと父さん達のだろ、荷物を入れ替えるだけだし」
その荷物がすごい量だと思うんだけど!
私が反論しようとした時、手元にあった携帯がメール受信を知らせる音楽を鳴り響かせた。
「河合だろ?電話しておいで」
「え、でも」
にっこりと優しく笑うおにいちゃん。
でも、明日一人でなんて絶対無理なのに。
「友達に手伝いを頼むから、大丈夫だよ」
「トモダチ?」
おにいちゃんの言葉に、さっき見た赤い車を思い出す。
「ねえ、さっき送ってくれた人?」
どきどきしながらおにいちゃんに問いかけると、少し驚いた顔をして私を見た。
視線が逸れたと思うと、下を向いてクスッと笑う。
私、何か変なこと言った?