春色の恋−カナコ−[完]
「気が付いてた?そう、彼女に頼むよ」

今度、カナコにも紹介しようと思っていたけど、思ったより早まりそうだねなんて。

やっぱり、彼女、だったんだ。

「彼女なの?付き合ってるの?いつから!?」

気になることをあれこれ質問攻めにすると、おにいちゃんは照れくさそうにゆっくり話してくれた。

1年くらい前に友人との飲み会で知り合った人であること。

仕事が忙しくてほとんど会うこともなく、連絡もしていなかったこと。

最近、彼女から連絡があり、お互い仕事終わりが同じになった時に少し会ったりしていたこと。

「付き合いだしたのは、ごく最近だよ」

私と河合さんが付き合いだした後に、彼女から告白されたのだという。

全く気がつかなかった。

昔から、おにいちゃんはスポーツが出来て勉強も出来て。

女の人にはすごくモテた方だと思っていたけど、ずっと彼女がいなかったのも不思議だった。

でも、ずいぶん長く彼女がいなかったから、まさか彼女が出来ていたなんで考えもしなくて。

なんだかすごく複雑。

妹の私が言うのも変だけど、おにいちゃんはかっこいいから。
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