春色の恋−カナコ−[完]
「以前から『自慢のカナコちゃんを連れてきてね』って言われてるから」

自慢!?私が?

おにいちゃんが彼女さんに私のことをどう言っているのかわからないけど、でも会ってみたい。

話し込んでいると、突然私の携帯が鳴りだした。

「あ、メール!」

そういえば、さっきメールが届いたんだった。

あわてて携帯を開くと、未読のメールマークがついたまま着信中で。

「コウスケだろ?部屋で電話しておいで」

「ありがとう!」

あわてて携帯を握りしめたまま階段を上り、自分の部屋に駆け込んだ。

「も、もしもし!?」

『よかった。寝てた?』

いつもなら起きていたらメールの返事をすぐに送る私から、いつまでも返信がないので気になって電話をかけてくれたらしい。

おにいちゃんと話し込んでいて、メールのチェックをしなかったことを謝り、両親の帰国が早まったことを伝えた。

『そうか。なら、デートはまたにする?』

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