春色の恋−カナコ−[完]
「どうしたの?」

「いや、コウスケらしいなと思ってさ」

河合さんが来るまでにできることを確認してから、おやすみを言って部屋へと戻った。


翌日。

いつも通り朝起きてキッチンで朝食の準備をしていると、首からタオルを下げたおにいちゃんが起きてきて。

「おはよう!もう行く?」

「おはよう。出れる?」

いつものように二人並んで近所を走る。

お母さん達が帰ってきても、こうして一緒に走れるかしら?

朝のすがすがしい空気の中、汗を拭きながら30分ほど走ってから帰宅した。

「まずは、俺の部屋からだな~」

お互いシャワーを浴びてからの朝食。

そうか、二人きりの朝食も、もうすぐ終わりなんだ。

なんだか嬉しいような、さみしいような、とても複雑な気分。

「荷造りするから、手伝ってくれるか?」

「うん。おにいちゃん本が多いから、これを機に少し減らしたら?」

「そうだな」

食後のコーヒーを飲んでからさっそく取り掛かった。
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