春色の恋−カナコ−[完]
「河合君、だよね?コウヘイからよく噂を伺ってます」
にっこりと笑いながら、河合さんに話しかけるカオリさん。
女の私から見ても素敵な女性に見える彼女だけど、河合さんはどう思うんだろうか。
私みたいな子供よりも、ずっと大人な女性だから。
なんだか二人が話をしているのを見ることができなくて、美味しそうな料理に集中しようとお皿を片手にもってどれを食べようか悩んでいた。
ふと顔をあげると目の前にいるおにいちゃんと目が合って。
『考えすぎ!』
声に出さずに口だけでそんなことを言っているおにいちゃんは、いつもどおりの優しい顔をしていた。
『ありがと』
きっと、おにいちゃんには私が考えていることなんてお見通しで。
カオリさんに対する、私のこのなんともいえない気持ちも、きっと気がついていたんだ。
「じゃあ、遠慮なくいただこうか」
二人の挨拶も終わった頃、いただきますと最初に箸を伸ばしたのはおにいちゃんで。
私もつられて美味しそうなおかずに手を伸ばした。
「おいしい!」
「そう?よかった!カナコちゃん、お料理が上手だって聞いていたから、緊張したのよ」
にっこりと笑いながら、河合さんに話しかけるカオリさん。
女の私から見ても素敵な女性に見える彼女だけど、河合さんはどう思うんだろうか。
私みたいな子供よりも、ずっと大人な女性だから。
なんだか二人が話をしているのを見ることができなくて、美味しそうな料理に集中しようとお皿を片手にもってどれを食べようか悩んでいた。
ふと顔をあげると目の前にいるおにいちゃんと目が合って。
『考えすぎ!』
声に出さずに口だけでそんなことを言っているおにいちゃんは、いつもどおりの優しい顔をしていた。
『ありがと』
きっと、おにいちゃんには私が考えていることなんてお見通しで。
カオリさんに対する、私のこのなんともいえない気持ちも、きっと気がついていたんだ。
「じゃあ、遠慮なくいただこうか」
二人の挨拶も終わった頃、いただきますと最初に箸を伸ばしたのはおにいちゃんで。
私もつられて美味しそうなおかずに手を伸ばした。
「おいしい!」
「そう?よかった!カナコちゃん、お料理が上手だって聞いていたから、緊張したのよ」