春色の恋−カナコ−[完]
「えっ」
食後のデザートに、紅茶と一緒に買ってきたケーキを食べているとき、カオリさんに突然言われて。
飲んでいた紅茶を吐き出しそうになってしまった。
「あら?違った?」
「え…」
そりゃ、いつかは…って思っていたけど。
でも、こう面と向かって聞かれたのは初めてで、なんて答えたらいいのかわからない。
返事に困って河合さんを見ると、ほんのり頬が赤くなっているような気がする。
「ご両親が帰国されたら、正式に挨拶を、と考えてます」
私と視線を交わしてから、カオリさんに向かってはっきりと答えた河合さん。
その横顔がなんだかかっこよくて。
「ちょっと、聞いた?すごいかっこいいねぇ!」
自分のことのように照れながら、横にいるおにいちゃんに話しかけているカオリさんもなんだか可愛くて。
おにいちゃんはなんだか感情のない顔をしているけど、ちらっとだけ私を見てから小さく「そうだな」なんて呟いていた。
「もう、まるで娘を嫁に出す父親ね」
くすくす笑いながら紅茶をお代わりしているカオリさんは、私を見て「よかったね」と笑ってくれた。
「はい。幸せです」
食後のデザートに、紅茶と一緒に買ってきたケーキを食べているとき、カオリさんに突然言われて。
飲んでいた紅茶を吐き出しそうになってしまった。
「あら?違った?」
「え…」
そりゃ、いつかは…って思っていたけど。
でも、こう面と向かって聞かれたのは初めてで、なんて答えたらいいのかわからない。
返事に困って河合さんを見ると、ほんのり頬が赤くなっているような気がする。
「ご両親が帰国されたら、正式に挨拶を、と考えてます」
私と視線を交わしてから、カオリさんに向かってはっきりと答えた河合さん。
その横顔がなんだかかっこよくて。
「ちょっと、聞いた?すごいかっこいいねぇ!」
自分のことのように照れながら、横にいるおにいちゃんに話しかけているカオリさんもなんだか可愛くて。
おにいちゃんはなんだか感情のない顔をしているけど、ちらっとだけ私を見てから小さく「そうだな」なんて呟いていた。
「もう、まるで娘を嫁に出す父親ね」
くすくす笑いながら紅茶をお代わりしているカオリさんは、私を見て「よかったね」と笑ってくれた。
「はい。幸せです」