春色の恋−カナコ−[完]
完全に相手にされていない佐藤さんの口調がきつくなったと思うと、テーブル越しにぐいっと私の肩を掴んできて。
「きゃっ」
すごい力に驚いてテーブルにぶつかって水の入ったグラスを倒してしまった。
「佐藤さん!これ以上しつこいと、警察呼びますよ!」
お店に響き渡る河合さんの言葉に、びくっと肩を揺らした佐藤さんは悔しそうに私を睨んできて。
怖くてたまらない私は、横にいる河合さんの腕にぎゅっとしがみついてしまった。
そんな私たちのやりとりに、お店の人も何人か来てしまって。
「お客様、どうなさいましたか?」
主任と書かれた名札の店員さんが、私たちと佐藤さんの間に立つようにして河合さんに話しかけてくれ、気がつくと佐藤さんのそばにも別の店員さんが立っていた。
「し、失礼するわ!」
河合さんが口を開こうとした瞬間、青い顔をした佐藤さんが慌てて店の外へ出て行こうとしていて。
「お客様、大丈夫ですか?」
おびえて震えている私を見て、店員さんが佐藤さんを追いかけるべきか河合さんに問いかけていたけど。
河合さんは、店員さんを止めて騒ぎになってしまったことを丁寧に謝っていた。
お店に入った時間が早かったからお客さんの数もまだ少なくて、大きな騒ぎにはならなかったけど。
それでも怖くてとても食事が取れる状態ではなくなってしまった私を抱えるようにしてお店を出た。
「きゃっ」
すごい力に驚いてテーブルにぶつかって水の入ったグラスを倒してしまった。
「佐藤さん!これ以上しつこいと、警察呼びますよ!」
お店に響き渡る河合さんの言葉に、びくっと肩を揺らした佐藤さんは悔しそうに私を睨んできて。
怖くてたまらない私は、横にいる河合さんの腕にぎゅっとしがみついてしまった。
そんな私たちのやりとりに、お店の人も何人か来てしまって。
「お客様、どうなさいましたか?」
主任と書かれた名札の店員さんが、私たちと佐藤さんの間に立つようにして河合さんに話しかけてくれ、気がつくと佐藤さんのそばにも別の店員さんが立っていた。
「し、失礼するわ!」
河合さんが口を開こうとした瞬間、青い顔をした佐藤さんが慌てて店の外へ出て行こうとしていて。
「お客様、大丈夫ですか?」
おびえて震えている私を見て、店員さんが佐藤さんを追いかけるべきか河合さんに問いかけていたけど。
河合さんは、店員さんを止めて騒ぎになってしまったことを丁寧に謝っていた。
お店に入った時間が早かったからお客さんの数もまだ少なくて、大きな騒ぎにはならなかったけど。
それでも怖くてとても食事が取れる状態ではなくなってしまった私を抱えるようにしてお店を出た。