春色の恋−カナコ−[完]
「ん?」
ようやく言葉を口にできた私は、さっきの佐藤さんとはどういう関係なのかとストレートに質問することができた。
「彼女、以前いた支社の子でね」
3月まで河合さんは支社にいて、4月から移動でおにいちゃんと同じ今の本社へやってきた。
移動してくる前まで、一緒に仕事をしていたのが佐藤さんらしい。
「先輩と後輩として、一緒に仕事をしていただけなんだけど、俺が本社へ異動してからどうもおかしくなっちゃって」
毎日のようにメールが来たり、用もないのに会社へ電話がかかってきたりするようになったんだという。
「今日、本社の会議に佐藤さんが来てね。終わったら食事にって誘われたんだけど、今までだって二人で食事になんて言ったことがなかったし、最近の彼女の行動からとてもじゃないけど付き合いきれないとも思って」
なにより、カナコちゃんとの約束があったしね?と柔しく笑いかけてくれた河合さんの目は、少しだけ疲れた感じにも取れて。
どうもストーカーまがいのことをされているようで、今日もはっきりと断ったのにお店まで来てしまったらしい。
「後をつけて来たんだろうか?」
ぽつりとつぶやいた河合さんの言葉に、さっきお店で佐藤さんに肩を掴まれた時の恐怖がよみがえる。
あの時見た佐藤さんの顔、すごく怖かった。
「どうして…」
河合さんのことが好きだから?
ようやく言葉を口にできた私は、さっきの佐藤さんとはどういう関係なのかとストレートに質問することができた。
「彼女、以前いた支社の子でね」
3月まで河合さんは支社にいて、4月から移動でおにいちゃんと同じ今の本社へやってきた。
移動してくる前まで、一緒に仕事をしていたのが佐藤さんらしい。
「先輩と後輩として、一緒に仕事をしていただけなんだけど、俺が本社へ異動してからどうもおかしくなっちゃって」
毎日のようにメールが来たり、用もないのに会社へ電話がかかってきたりするようになったんだという。
「今日、本社の会議に佐藤さんが来てね。終わったら食事にって誘われたんだけど、今までだって二人で食事になんて言ったことがなかったし、最近の彼女の行動からとてもじゃないけど付き合いきれないとも思って」
なにより、カナコちゃんとの約束があったしね?と柔しく笑いかけてくれた河合さんの目は、少しだけ疲れた感じにも取れて。
どうもストーカーまがいのことをされているようで、今日もはっきりと断ったのにお店まで来てしまったらしい。
「後をつけて来たんだろうか?」
ぽつりとつぶやいた河合さんの言葉に、さっきお店で佐藤さんに肩を掴まれた時の恐怖がよみがえる。
あの時見た佐藤さんの顔、すごく怖かった。
「どうして…」
河合さんのことが好きだから?