春色の恋−カナコ−[完]
今夜は遅いからもう寝るけど、明日にでもお父さんとお母さんに話をするというおにいちゃん。

お父さんたちはカオリさんのことをどこまで知っているのかな?

会ったらきっと気に入ると思うけど。

素敵な人だし。

「河合には俺から言うから。今から電話するよ」

「うん。電話終わったら教えてね?私も河合さんと話がしたいし」

私の部屋を出て行ったおにいちゃんは、隣の自分の部屋へ行ったようで、パタンと扉のしまる音が聞こえた。

なんだか興奮して眠れないかも。

おにいちゃんが結婚。

少し前まで、カオリさんの存在すら知らなかったのに、お義姉さんになるなんて。

でも、嬉しい。

「赤ちゃんかぁ…」

私には想像できないけど、すごく素敵なこと。

いつか、私も河合さんの赤ちゃんを…。

「きゃー」

自分で想像して、恥ずかしくなってしまった。

早く河合さんの声が聞きたいよ。
< 187 / 241 >

この作品をシェア

pagetop