春色の恋−カナコ−[完]
おにいちゃんの電話が終わるまで、さっき見ていた雑誌をもう一度開くけど頭に入ってこない。

ぱらぱらとめくっていると、携帯が鳴った。

この音楽は、河合さんからの電話!

「もしもし!?」

『はは。こんばんは』

慌てて出たら、笑われてしまった。

「こ、こんばんは!」

顔が赤くなってしまう。

空いている手で頬を触ると、熱くなっているのがわかる。

『コウヘイから聞いたよ。カナコちゃん、おばさんになるんだね』

「お、おばさん!?」

そうか、おにいちゃんの赤ちゃんから見たら、私はおばさんになるんだ。

『そうそう、おばさん?はは』

「ひどいですよ!おばさんって!」

おばさんだけど。でも、まだ私20歳だし!
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