春色の恋−カナコ−[完]
定時で仕事を上がってもいいと言われたので、時間がきて区切りのいいところで今日の仕事はおしまいに。

でも、フロアを見渡すと今日は皆さん残業のようで。

いつも残業が当たり前なのかな?

皆定時を気にすることなく、もくもくと仕事をこなしているように見えた。

なんだか一人だけ先に帰宅するのも気が引けるけど、残っても私にできることはまだ何もなくて。

「お疲れ様でした」

迷惑にならない程度に、近くにいる人に挨拶をしてタイムカードを押した。

「明日からは仕事を手伝ってもらうから、頑張りましょうね」

笑顔で藤井さんに見送られ、会社を後にした。

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