春色の恋−カナコ−[完]
未来へ
あっという間に時間は過ぎて。
おにいちゃんたちの仕事も忙しい時期が過ぎ、私も比較的残業のない日が続いていた。
仕事帰りに河合さんとのデートもできていたし、時々カオリさんのお店へおにいちゃんも一緒にごはんを食べに行ったりもした。
「いよいよ明日だね」
明日の日曜日はいよいよ結婚式当日。
最後の家族団欒を楽しんでいるけど、なんだか皆が落ち着かない。
カオリさんもアパートを引き払っているので、実家でこんな風に団欒を楽しんでいるのかな。
「コウヘイには、色々と苦労させたから…」
「はは。苦労?」
お母さんの言う苦労って、きっと私のことだ。
高校生の私の世話を、社会人になったばかりのおにいちゃんがしてくれて。
おかげで私は辛い思いもせずに楽しい高校生活を送ることができた。
「うん。おにいちゃん、ありがとうね」
「なんか、俺家を追い出されるような気分だよ」
ありがとう。
なかなか言えない言葉だけど、ちゃんと伝えたい言葉。
おにいちゃんたちの仕事も忙しい時期が過ぎ、私も比較的残業のない日が続いていた。
仕事帰りに河合さんとのデートもできていたし、時々カオリさんのお店へおにいちゃんも一緒にごはんを食べに行ったりもした。
「いよいよ明日だね」
明日の日曜日はいよいよ結婚式当日。
最後の家族団欒を楽しんでいるけど、なんだか皆が落ち着かない。
カオリさんもアパートを引き払っているので、実家でこんな風に団欒を楽しんでいるのかな。
「コウヘイには、色々と苦労させたから…」
「はは。苦労?」
お母さんの言う苦労って、きっと私のことだ。
高校生の私の世話を、社会人になったばかりのおにいちゃんがしてくれて。
おかげで私は辛い思いもせずに楽しい高校生活を送ることができた。
「うん。おにいちゃん、ありがとうね」
「なんか、俺家を追い出されるような気分だよ」
ありがとう。
なかなか言えない言葉だけど、ちゃんと伝えたい言葉。