春色の恋−カナコ−[完]
明日からは、カオリさんがお姉さんとしてこの家に来てくれる。

リフォームされた家にも慣れて、新しい自分の部屋も気に入っていて。

おにいちゃんたちの新居も、すごく素敵になっていた。

夕飯は、私とお母さんでおにいちゃんの好きなものをたくさん作った。

「こんなに食べられないだろ?」

作りすぎてテーブルから溢れそうな料理を見て、おにいちゃんとお父さんは呆れていたけど。

最後の夜はすごく楽しくて。

遅くまで笑い声が響いていた。



朝から忙しく出かける準備をして、家族そろって式場へ向かった。

レストランウエディングなので、あまり気取らなくてもいいと言うけど。

お母さんは着物を着て、私も振袖を着ることにした。

「振袖を着る機会も、これで最後かもしれないでしょう?」

最初は着物を考えていなかったけど、カオリさんが振袖を勧めてくれた。

結婚したら、振袖を着ることはないんだからって。

それを河合さんに話したら、着てほしいって言われて着ることにした。

着付けをしてもらい、お母さんと一緒に控室へ戻ると、河合さんが待っていてくれた。

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