春色の恋−カナコ−[完]
控室の扉をノックしてから中へ入ると、お友達とおしゃべりしているカオリさんが居て。

純白のドレスに包まれたカオリさんは、本当にきれいで見惚れてしまう。

「カナコちゃん!」

私の姿を見るなり、座っていた椅子から飛び降りるようにして私のところへ来るカオリさん。

びっくりして思わず止めたくらい元気で、なんだかすごくテンションが高い。

「どうしよう、もう嬉しくって」

ほんのり頬を赤らめながら私の手を取ってぶんぶんと降っているカオリさんは、私が今まで見たことがないくらいはしゃいでいて。

なんていうか…今までの私の中でのカオリさんのイメージとはかなり違って。

もっと、素敵な大人の女性ってイメージが強かったのに、今目の前にいるカオリさんは私と同年代に思えるくらい。

「私もうれしいですよ」

こんなに素敵な方が私のお義姉さんになるんだもん。

でも、やっぱり…。

「カオリ」
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