春色の恋−カナコ−[完]
「泣きすぎ」
退場する時に、泣いている私を見ておにいちゃんがふわっと笑って。
そっと私の頭をなでてくれた。
「おにいちゃん、大好き!」
「ありがとう、カナコ」
二人を見送った後、横にいた河合さんがきゅっと私を抱きしめてくれた。
しばらく止まらなかった涙も、ほかのお客さんがレストランの中へ入ったころにやっと止まって。
何も言わずにずっと私を抱きしめていてくれた河合さんは、遠慮がちに私の頭をなでた。
「なんかさ…」
顔を上げられない私の頭に顎を乗せるようにして、河合さんがぽつりとつぶやく。
「…焼きもちだな」
「え?」
言葉の意味がわからなくて、河合さんを見上げると、少し照れたような顔をして私を見降ろしていて。
「コウヘイに、焼きもち?」
「河合さん…」
切なそうな顔をして私を見つめる河合さんの背中に、ぎゅっと腕を巻きつけて抱きついた。
私の背中に回っている河合さんの腕にも、少しだけ力が入ったのがわかって、安心する。
「あんなふうに俺も告白されたいなぁ」
退場する時に、泣いている私を見ておにいちゃんがふわっと笑って。
そっと私の頭をなでてくれた。
「おにいちゃん、大好き!」
「ありがとう、カナコ」
二人を見送った後、横にいた河合さんがきゅっと私を抱きしめてくれた。
しばらく止まらなかった涙も、ほかのお客さんがレストランの中へ入ったころにやっと止まって。
何も言わずにずっと私を抱きしめていてくれた河合さんは、遠慮がちに私の頭をなでた。
「なんかさ…」
顔を上げられない私の頭に顎を乗せるようにして、河合さんがぽつりとつぶやく。
「…焼きもちだな」
「え?」
言葉の意味がわからなくて、河合さんを見上げると、少し照れたような顔をして私を見降ろしていて。
「コウヘイに、焼きもち?」
「河合さん…」
切なそうな顔をして私を見つめる河合さんの背中に、ぎゅっと腕を巻きつけて抱きついた。
私の背中に回っている河合さんの腕にも、少しだけ力が入ったのがわかって、安心する。
「あんなふうに俺も告白されたいなぁ」