春色の恋−カナコ−[完]
おにいちゃん、大好き!って。
おめでとうって言いたかったのに、大好きって言ってしまったことを思い出し、なんだか急に恥ずかしくなる。
回りにはお父さんやお母さんのほかに、親戚の人やおにいちゃんのお友達もたくさんいたのに。
「コウヘイにはかなわない、かな?」
抱きしめられていた腕がゆるんで。
そっと身体を離されたかと思うと、両手でやさしく私の頬をぬぐってくれた。
「さあ、その顔直してこないと。もうすぐ披露宴が始まるよ?」
にっこり笑う河合さんに、泣きはらした顔を思い出して慌ててしまう。
お化粧なんて全部はげちゃって、ひどいことになっているに違いないから。
「あ、や、控室に戻ります!」
慌てる私の腕を引いて、一人で行けるって言ったのに一緒に控室まで戻ってくれた河合さん。
私が顔を洗って化粧を直している間は、窓の外を向いてこちらを見ないようにしてくれていた。
「失礼します。そろそろ披露宴が始まりますが…」
「あ、今すぐ行きます!」
レストランのスタッフが、わざわざ呼びに来てくれて慌てて準備をする。
おめでとうって言いたかったのに、大好きって言ってしまったことを思い出し、なんだか急に恥ずかしくなる。
回りにはお父さんやお母さんのほかに、親戚の人やおにいちゃんのお友達もたくさんいたのに。
「コウヘイにはかなわない、かな?」
抱きしめられていた腕がゆるんで。
そっと身体を離されたかと思うと、両手でやさしく私の頬をぬぐってくれた。
「さあ、その顔直してこないと。もうすぐ披露宴が始まるよ?」
にっこり笑う河合さんに、泣きはらした顔を思い出して慌ててしまう。
お化粧なんて全部はげちゃって、ひどいことになっているに違いないから。
「あ、や、控室に戻ります!」
慌てる私の腕を引いて、一人で行けるって言ったのに一緒に控室まで戻ってくれた河合さん。
私が顔を洗って化粧を直している間は、窓の外を向いてこちらを見ないようにしてくれていた。
「失礼します。そろそろ披露宴が始まりますが…」
「あ、今すぐ行きます!」
レストランのスタッフが、わざわざ呼びに来てくれて慌てて準備をする。