春色の恋−カナコ−[完]
「母さんが、コウヘイはこのまま結婚しないんじゃないかって心配していたんだよ」
電車に乗る前に、お父さんが呟くように言った言葉。
彼女が全くいなかったわけじゃないと思うけど、いつもべったりという付き合い方はしたことがないんじゃないかな?
ずっと一緒にいた私が気がつかない程度のお付き合いは、たくさんあったのかもしれないけど。
「おにいちゃん、モテるんだからそれはないと思っていたよ」
妹の私から見ても、かっこいいと思うくらいだもの。
仕事もできてかっこいいおにいちゃんを、ほっておく女性なんていないんじゃない?
「だよなぁ。でもまあ、よかったよ」
駅でお父さんと別れ、いつものように出社する。
仕事にも大分慣れてきて、自分でできることも増えて来た。
「おにいさんの結婚式、どうだった?」
事務所で藤井さんとお弁当を食べていると、週末の結婚式の話になって。
「すごく素敵でしたよ!」
私も早く素敵な花嫁さんになりたい、なんて言えないけど。
携帯で撮った写真があったので、少しだけ藤井さんに披露した。
電車に乗る前に、お父さんが呟くように言った言葉。
彼女が全くいなかったわけじゃないと思うけど、いつもべったりという付き合い方はしたことがないんじゃないかな?
ずっと一緒にいた私が気がつかない程度のお付き合いは、たくさんあったのかもしれないけど。
「おにいちゃん、モテるんだからそれはないと思っていたよ」
妹の私から見ても、かっこいいと思うくらいだもの。
仕事もできてかっこいいおにいちゃんを、ほっておく女性なんていないんじゃない?
「だよなぁ。でもまあ、よかったよ」
駅でお父さんと別れ、いつものように出社する。
仕事にも大分慣れてきて、自分でできることも増えて来た。
「おにいさんの結婚式、どうだった?」
事務所で藤井さんとお弁当を食べていると、週末の結婚式の話になって。
「すごく素敵でしたよ!」
私も早く素敵な花嫁さんになりたい、なんて言えないけど。
携帯で撮った写真があったので、少しだけ藤井さんに披露した。