春色の恋−カナコ−[完]
「お母さん!」

あまりにもびっくりして、河合さんを見ると、少しだけ頬を赤くしながら笑っていて。

そのまま私たちの結婚の話になり、なぜか明日帰国予定のおにいちゃんたちを皆で迎えに行くことになって話は落ち着いた。

夜遅くまで飲んでいた河合さんは泊っていくことになり、和室に布団を準備した。

お風呂からあがってきた河合さんは、お父さんのシャツを借りていて。

お父さんよりも大きい河合さんだから、少しだけ丈が短い。

「ありがとう、カナコちゃん」

「疲れたでしょう?お父さんおしゃべりだよね」

お風呂上りにと冷蔵庫から出した水を渡すと、おいしそうにごくごく飲んでくれて。

すでに寝室へ行ってしまったお父さんとお母さんは、きっともう夢の中。

私もお風呂に入り、寝るだけの状態だったので少しだけリビングで河合さんとおしゃべりをしてから寝ることに。

一緒に居たいけど…さすがに両親の居るこの家では無理。

「おやすみなさい」

そっと触れるだけのキスをして、私は自分の部屋へと移動した。


翌日は、着替えるためにいったん帰宅する河合さんに付き合って一緒に彼のマンションへ。

たまっていた洗濯ものを手伝ったりし、簡単に掃除をしてからお昼を食べに出かけ、夕方空港へ行くために私の家へもどってからお父さんの運転する車で皆で空港へと向かった。
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